「近居」という選択-同居では得られない、近くに住むメリット

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

「近居」という選択--同居では得られない、近くに住むというメリット 

二世帯住宅などで同居するのではなく、別々の住宅で近所に住む「近居」。 
子世代・親世代のそれぞれから「メリットが多い」と定評のある住まい方で、2019年現在にわかに注目されています。 

本記事では、そんな「近居」のメリットやデメリットについてまとめています。 
将来、近居を考えている。 
もしくは、同居をしているけれど近居に切り替えることを検討している、という方は、ぜひ参考にしていただけたら幸いです。 


そもそも「近居」とは?

「近居」とは、互いに行き来が可能な徒歩圏内に居住し合う住まい形態のこと。 
あえて同居するのではなく、徒歩5-15分圏内の近所に住むことで、子世代・親世代の双方からメリットが多いとして人気を集めています。 

いわゆる「スープが冷めない距離」とも称され、有事の際にも早めに対応できるとして評判です。実際に、平成25年度に国土交通省が行った調査では、平成5年の4.1%から平成25年の10.6%と増加傾向にあります。 

この近居には、どんなメリットがあるのでしょうか? 
流行している理由と、メリット&デメリットについてみていきましょう。 

徒歩10-30分圏内に住む「近居」が流行している理由3選

スープの冷めない徒歩5-15分圏内に住む「近居」。 
2019年前後にわかに注目され、流行の兆しをみせています。 

その背景には、少子高齢化に伴い、核家族の増加によるデメリットを緩和させようという政府の取り組みがあるのです。 

近居に人気が集まる理由は何なのか? 
主に、以下の3つの理由が挙げられます。 

①子育てや介護など、相互援助しやすくなる 
②近居のための援助制度あり 
③二世帯によるトラブルを避けられる 

子育てや介護など、相互援助しやすくなる

子世代にとっては、何かと人手が欲しい子育てに援助を求めやすくなります。夫婦揃って子育てに参加できる環境が最も望ましいですが、実際には、ご主人が働きに出ていて帰りが遅かったり、夫婦ともに共働きで十分な時間がとれないこともしばしばでしょう。 

そんなとき、親世代が近居しているだけで、いざという時に手を貸してもらいやすくなります。 

また、親世代にとっては、介護をしてもらいやすくなるのもポイント。 
日常生活を送るのに不安が芽生えやすくなる時期、食品・日用品の買い出しや通院など、車を出してくれる子世代が近居していると何かと助かる場面も多くなってきます。 

この相互援助を見越して、同居ではなく近居を選択する子世代・親世代が増えてきているのです。 

近居のための援助制度あり

居住する地域により、自治体が率先して近居のための援助制度を設けている場合もあります。代表的な例は大阪府や兵庫県、岐阜県など。 

制度を整えている自治体ごとに、援助の範囲や名称は異なりますが、主に以下のような内容が多くなっています。 

・近居のために用意する住宅の購入費用援助または一部補填 
・転居や登記費用援助または一部補填 

自治体により変動が多い面がありますので、事前に確認することをおすすめします。 

二世帯によるトラブルを避けられる

二世帯住宅で同居する際に、どうしても発生しがちなトラブルも、近居であれば回避しやすくなります。 

子世代・親世代にとって、お互いにどうしても価値観にズレがあったり、配慮や言葉不足が原因で不和が生まれたりすることもあるでしょう。 
距離が近すぎると、見たくないのに見えてしまう部分もあります。以下のような点に、あなたも心当たりがないでしょうか? 

・世代の違いによる生活リズムのずれ 
・洗濯や掃除の仕方が異なる 
・家具の配置、インテリアの趣味の相違 

近居であれば、普段の生活範囲は被っていないため、些細なトラブルも事前に避けることができるというメリットがあるのです。 

近居を支持する率は全体の50%超え

同居によるトラブル発生や、デメリットを事前に避けることができる近居。 
平成25年度に行われた内閣府による調査「家族と地域における子育てに関する意識調査」において、近居を支持する率は全体の50%を超えていることがわかります。 

・近居を理想の住まいとする人:31.8% 
・親と子の世帯と、祖父母世帯は離れて住みたい、との人は21.7% 

数字上でも、近居というライフスタイルがどれだけ支持されているかが一目瞭然です。同居ではなく近居という形を望むのは、最早一般的になりつつあるということかもしれません。 

実際に近居している家族の満足度

実際に近居をしている家族の感想、満足度はどれほどのものなのでしょうか? 

親世代からすると、娘や息子の「働きながらの育児」を応援したり、孫の面倒をみたりできることに喜びを感じているケースが大半です。 

子世代にとっても、子どもの面倒をみてもらったり預かってもらったりできる点は最大のメリット。くわえて、学校行事に参加してもらいやすいのも交流が生まれるポイントなのだとか。 

お互いに負担になりすぎず、Win-Winとなるような関係性を保つことができるようです。 

近居によるデメリット2選

同居と比較すると、格段にメリットの方が多いようにみえる近居ですが、近居ならではのデメリットもいくつか存在します。 

近居による以下のデメリット2選を参考に、近居を検討してください。 

・価値観の違いによるストレス 
・近居ゆえの不満が発生する場合も 

価値観の違いによるストレス

二世帯住宅で同居をしているよりは頻度が少ないかもしれませんが、互いの価値観がすれ違うことにより生まれるストレスもあります。 

そもそも、子世代・親世代に限らず、近居そのものが受け入れられないケースもあるでしょう。近居を望む=同居を嫌がっていると判断されてしまうと、そこから齟齬が発生してしまいます。 

近居を提案する場合は、丁寧に言葉を尽くした上で、お互いに誤解のないように進めることが大切です。 

近居ゆえの不満が発生する場合も

上記のように、近居だからこそ発生してしまう不満もあるでしょう。 

たとえ徒歩5-15分圏内だとしても、1日に呼び出す回数が多ければ行き来が億劫に感じられる場合もあります。 
双方どちらかの住居がアパートまたはマンションで、階段を使わなければならない上階だとしたら、何かと不便なシーンも。 

些細な部分かもしれませんが、毎日のやりとりが円滑に進むよう、細部まで検討を重ねることが大切です。 

まとめ:相互援助でストレス&トラブルを抑える!「近居」のすすめ

同居によるデメリットを避け、子世代・親世代がともにストレスなく生活できる近居というライフスタイルは、今後も右肩上がりで広まっていくでしょう。 

同居を検討している方、同居生活中で不都合を感じてしまっている方、これを機会に近居を検討してみるのはいかがでしょうか? 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*